ホワイトペーパー

FOLIO ROBO PROについてくわしく知る

運用モデル

各資産への投資比率の決定は、1990年にノーベル賞を受賞したハリー・マーコヴィッツ氏が礎を築いた現代ポートフォリオ理論に基づいた、平均分散法をベースとしています1。平均分散法とは、将来期待されるリターンとリスク(リターンの分散をリスクとして考えます)に基づいてポートフォリオを設計する手法です。一定の仮定のもとで、不確実性を伴う投資に対する個人の満足度(経済学における期待効用)は、リターンからリスクを差し引いた形で表現されます2。その際、個人の満足度の中にリスク許容度と呼ばれるパラメータが存在し、任意に値を設定できます。FOLIO ROBO PROにおいては、AlpacaJapanによる予測を用いた機動的な銘柄選択を行い、高いリターン目指すため、一定程度のリスクを許容し、やや高い水準のリスク許容度を設定しております。

平均分散法で最適化を行う際にはリスクと相関の予測値が必要となりますが、その推定は一般的に行われているように各銘柄のヒストリカルデータから計算したリターンを用いて推定しています。この手法を用いる理由は、リスクや相関と言った変数が、他のリターンなどの変数に比べて、時間を通して安定しており、現在の値を将来の値として使用しても大きなずれが生じないと考えられているためです。

期待リターンの推定にあたってはBlack-Littermanモデル3を利用します。期待リターンをヒストリカルデータのみから推定することは多くの問題点が指摘されており、その問題点を克服した手法であるBlack-Littermanモデルは多くの機関投資家にも利用されています。当該モデルは、資本資産価格モデル(CAPM)4にもとづいて推定される市場均衡での期待リターンをベースに、モデルの利用者が独自の相場見通しを加味して各銘柄の期待リターンを推定するものです。「FOLIO ROBO PRO」では、長期的な市場成長の仮定のもとに市場均衡での期待リターンを計算し、そこにAlpacaJapanによる各銘柄の予測値を合成し、最終的な期待リターンを算出しております。

上記の通り算出されたリスク・相関・期待リターンをもとに、以下の最適化問題を解くことで、最適投資比率 w を決定します。

最適化問題

wは各銘柄に対する投資比率ベクトル、wi​は投資比率ベクトルの各要素、μは期待リターン、Σは分散共分散行列、σはリスク許容度に応じたボラティリティとなります。また、w′はベクトルを行列とみなした時の転置行列を表しています。最適化時の制約として、特定の名柄に投資が集中することを避けるように運用することを原則としつつも、マーケット状況によっては必要な銘柄のみに投資できるようにするため、個別銘柄毎に保有比率に上下限a=0.00,b=0.50を設定しております。つまり、各アセットの保有比率が0%以上50%以下という制約条件で、リスク許容度に応じたボラティリティの下、期待リターンを最大化するようにポートフォリオを組成しています。

  • H.Markowitz, (1952), Portfolio Selection. Journal of Finance.
  • 池田昌幸,(2000), 『金融経済学の基礎』(ファイナンス講座2)朝倉書店
  • F.Black and R.Litterman, (1992), Global Portfolio Optimization. Finaicial Analysts Journal.
  • W. Sharpe, (1964), Capital Asset Prices: A Theory of Market Equilibrium Under Conditions of Risks. Journal of Finance.