臨時リバランスとは何か?

この記事のポイント

・定期的なリバランスだけではない
・経済的な出来事と対応する場面で発動している※
・単純な下落抑制機能ではない

(※本文記載の過去のシミュレーション結果より)


そもそもリバランスとは?

ROBO PROでは基本的に一ヶ月に一回リバランスを行っています。

ROBO PROで資産運用を始めると、運用を開始した時点で最適と考えられる資産比率を持つポートフォリオに投資されますが、時間が経つにつれ運用資産の値動きに伴い、最適と考えられる比率からはどんどん離れていってしまいます。

そのため、ポートフォリオに含まれる各資産の比率を再び最適と考えられる状態に戻すために売買を行うのですが、その売買はリバランスと呼ばれています。

what is rebalance

一般的にリバランスは最初に投資した時点での比率に戻しますが、ROBO PROでは市場の環境に合わせて最適と考えられるポートフォリオも随時更新しているので、元の比率に戻すとは限りません。ROBO PROはリバランスによって最新のポートフォリオを反映することで機動的な資産配分の変化を実現しています。

市場は日々変化していくのでリバランスは定期的に行う必要があります。

一方で、2008年のリーマンショックや2020年に起こったコロナショックを見てみると、特に急激な下落を伴う市場の変化は突然起りうるものです。もちろんこういった激しい市場の変化が頻繁に起こる可能性は低く、過去の事例を見ても数年に一度ぐらいの頻度だと考えられるでしょう。

しかし、いざこうした事態が起きた場合に月1回程度の定期リバランスだけでは、急激な市場の変化に十分に対応できない可能性もあります。

そこでROBO PROでは定期的なリバランスだけではなく、市場の急変時にも臨時的なリバランスを行う運用を行っています※。このように市場の局面に適応したリバランスを行う仕組みをAdaptive Rebalance Control(ARC)と呼んでいます。
(※ 2020年11月に運用が開始されました)

Adaptive Rebalance Control

ARCにおいて臨時的なリバランスが過去にどのようなタイミングで起こったのかを見てみましょう。

過去のデータを使った2012年から2020年中頃までのシミュレーションでは以下のタイミングで臨時リバランスが行われています。

  • 2013年4月中旬
  • 2013年6月下旬
  • 2016年6月下旬
  • 2016年11月中旬
  • 2020年3月中旬
  • 2020年4月中旬

それぞれのタイミングについて詳しく見ていきましょう。

まず2013年には4月と6月の2回臨時リバランスが行われています。

最初の臨時リバランスは、FRBが量的金融緩和を進める中、4月のFOMC議事録で量的緩和の縮小の意見が出てきたことに市場が反応して下落が起こったタイミングと重なっています。また5,6月にはいわゆるバーナンキショックにより市場が大きく下落するタイミングがありました。このタイミングでも臨時リバランスが行われています。

このように臨時的なリバランスが行われるタイミングではニュースなど目に見える形で市場環境に変化が起こっていることがほとんどです。

以下の図は米国株式・先進国株式・債券・金の期初からの累積リターンのグラフに臨時リバランスのタイミングを記載したものです。※

それぞれのアセットには以下のデータを使用しています

  • 米国株式: S&P500

  • 先進国株式: FTSE先進国株式(除く米国)インデックス

  • 債券: FTSE世界国債インデックス

  • 金: XAU/USD

2013market

※シミュレーション結果であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

2016年には2つ大きなイベントが起きています。6月に国民投票によりイギリスのEU離脱が決定するという出来事がありました。また11月には米国大統領選挙が行われトランプ氏が大統領に就任しました。臨時リバランスはこれら両方のタイミングで行われています。

下図を見ると11月の臨時リバランスでは米国株式のみ大きく反発しており、その他の資産は大きく下落しています。

このタイミングでROBO PROのポートフォリオはすでに米国株式を最大保有比率まで持っていましたが、臨時リバランスを行うことで先進国株式を減らしつつ米国不動産の組入比率を新たに増やしており、結果的に臨時リバランスを行わなかった場合に比べてパフォーマンスが改善されていました。

臨時リバランスは単純な下落局面だけではなく、上昇局面への変化や、各資産が上昇や下落とバラバラに大きく動く局面でも対応できていることが分かります。

2018market

※シミュレーション結果であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。


2020年は新型コロナウィルスの流行が世界経済全体に大きな影響を与えました。

2月中旬から3月中旬にかけて市場が大きく下落したタイミングで臨時リバランスが行われています。更にコロナショックが特徴的なのは回復の速さです。3月下旬から4月の上旬には市場は大きく反発し、それに合わせて再び臨時リバランスを行うことで株式などのリスクの高い資産を増やし上昇についていくことができていました。

2020market

シミュレーションではありますがこれらのリバランスによって期間中の年率リターンは約0.8%プラスに改善しています(※)。

※シミュレーション結果であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。


このようなARCにおける臨時的なリバランスのタイミングは人手ではなくファイナンス理論を応用したモデルを使うことで機械的に判定しています。

臨時リバランスの仕組み

臨時的なリバランスのタイミングは一体どのような仕組みで判定されているのでしょうか。

市場にはリスクオンやリスクオフ、あるいは好況や後退のような局面が存在するといった考え方は広く受け入れられていると思います。

こうした局面の存在をあらかじめ仮定してデータから逆に推定したり推論に利用するような統計モデルのことをレジームスイッチングモデルと呼びます。このモデルが実際の景気循環をデータから推定することに有効であることが研究によって示されて以降[^1]、ファイナンス理論の分野ではレジームスイッチングモデルに関する研究が活発に行われてきました。

ROBO PROではこのモデルを運用資産を含む複数の市場に適用することで市場の局面変化を捉えることに利用しています。そして変動の激しい局面に突入したと判定された場合には臨時リバランスを行います。

この仕組はあくまでリバランスのタイミングを決定するだけなので、ROBO PROにおけるAIを利用したポートフォリオの最適化アルゴリズムには影響を与えません。これら2つの機能は独立しており相乗的に互いの良さを引き出しています。

その良さはダウンサイドプロテクションと比較することでよく分かると思います。ダウンサイドプロテクションとは運用資産の下落を抑制するために、市場が下落局面に突入したと判定した時に運用資産の一部現金化やリバランスを行ってポートフォリオのリスクレベルを下げるような運用アルゴリズムのことです。

これに対し臨時リバランスはあくまでタイミングの判定に徹しており、投資判断は通常のROBO PROと同様に行うことで単純にリスクレベルを下げるだけではなく必要であればリスクレベルを上げるような判断ができる余地も残しています。

通常のダウンサイドプロテクションでは必ずリスクレベルを下げるため、下落後の上昇局面についていけずパファーマンスが悪化してしまうというデメリットがよく挙げられますが、臨時リバランスはこの問題をうまく回避できる可能性があるといえるでしょう。

更に詳しいARCの仕組みについては下記リンク先のホワイトペーパーをご参照ください。
https://folio-sec.com/robopro/white-paper/rebalance

[^1]: HAMILTON, JAMES D. "A NEW APPROACH TO THE ECONOMIC ANALYSIS OF NONSTATIONARY TIME SERIES AND THE BUSINESS CYCLE." Econometrica 57.2 (1989): 357-384.

■本資料について
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